アイドルマスターシンデレラガールズ 21話 感想 「花園へと踏み出す者と、花園へと導かれる者と、扉の前に取り残される者と」(9295文字)
アイドルマスターシンデレラガールズ21話、感想記事を書いていきます。
今回の僕的なポイントを3つ上げときます。
・NGsに今必要なものは何か? 未央の選択の意味は?
・「残された者」と「自らの道を行くもの」とを繋ぐ蘭子の役割。
・花園への扉の向こうへ踏み出せず、一人取り残される卯月。
まあ、そんな感じでやっていきます。
(プロフィールに書かれている謎の暗号が気になってしょうがない。特に92という数字)
イギリスの小説家、フランシス・ホジソン・バーネットの「秘密の花園」。
タイトルと、女の子が閉ざされた箱庭で不思議な体験をする云々、みたいなおぼろげなあらすじは頭にありました。どこで聞いたのかははっきりと思い出せないのですが、確か社会学者の加藤諦三の著作だか公演音声だかなんだかだった気がする。
(アーニャはいよいよKroneの仲間入り)
(KroneのPVに出てくる屋敷。秘密の花園の屋敷かな?)
(林檎というと、最近とある新興宗教のステージ背景にもあった知恵の実を思い出すが……?)
(林檎から蝶が羽ばたいて、お屋敷を再生する。色々こじつければ何か言えそうな気がするが、さて)
まあ、これが秘密の花園のお屋敷なら、それが再生する物語というのは分かり易いですけれどね。後半のNGのやりとりを暗示してるのかなぁ。
知恵の実なんて出てくると、「楽園=現状」で、そこに居続けることが叶わなくなっても、新たな可能性へと歩みだしていく、みたいなメタファなのかなとか。
まあここらへんの映像の意図は、絶対にこれだみたいなのはあんまし思いつかない。
「皆さん、秋のライブについては調整しますので。待っていて下さい」
冒頭から不穏な雰囲気全開ですが、プロデューサーにはあんまし迷いがある感じは受けなかったですね。
前回TPの三人が歌う姿を見たことや、アーニャとのやりとりなどを通じて、アイドル個人が自ら可能性を見つけ、それへ賭けたいなら、自分は全力でサポートするというような方針を固めたようですね。
(55分を指した時計。前回未央が踏み出したことでこの時間を指しましたが、今の段階では動かない)
(進まない時計の針のように、停滞する卯月と凛)
(二人を置いて、高いところへ登っていく未央の脚が映される)
「未央、待って!」
「しぶりんも、やりたいことやってみれば? じゃあね!」
「ラブライカももちろん参加できるよね?」
「あ、うん。ソロ曲のレッスンがあるけど、私は遅れて参加できそう」
唐突にぶっ込んでくる新田さん。
この段階の状況を整理すると。
アーニャはKroneへ移動。
美波はCPでソロ活動。
二人は、この所属で秋のライブへソロ参加する。
一応、ラブライカが解体されるわけではないようだが、秋ライブへは出ない模様(?)。
よって、CPの全体曲としてはアーニャが抜けて、NGが宙に浮いた状態(調整中)。
「しぶりんはさ、ずっと悩んでたんでしょ。わたし、全然気が付かなかった。ニュージェネ以外の道なんて、考えたこともなかったしさ……ううん、考えたくなかったていうか。わたしさ、サマーフェスのとき、三人でちゃんとライブできて楽しかった。みんな笑顔でさ、キラキラしてた。あの時、やっと三人でスタート台に立てたんだよね。だから私、リーダーとして、みんなと一緒に先に進みたかったんだ。わたし、今度こそ、リーダーとしてニュージェネを引っ張ろうって思ったんだ。ここからもっともっと三人でキラキラしたいから、そうでなきゃって思って、でも――」
「トライアドの話ってわけね」
「わたしがやっぱ何もできないんだなってっ。勢いばっかでだからしぶりんは――」
「それは違います。今までの活動に誤りがあったとは思いません。あなたは私が選んだニュージェネレーションズのリーダーです。あなた達には、これから、まだまだ色々な可能性があると思っています。ただ、渋谷さんの問題は――」
「それとは違う何かってことかな」
「はい」
「違うって、どう違うの」
「わかりません。ただ――少し、違うところから見てみないと、わからないものなのかもしれません」
「わからないから、確かめたいと思ってるのかもね」
「プロデューサー、私も見なきゃ。それがなんなのかわからないけれど。私、しぶりんにちゃんと答えたい。じゃないと三人で前に進めない気がする。ねえ、このことは、私たちで答えを見つけるから」
つまり、城ヶ崎美嘉はPの家内だということです。
いや、父と子の対話を仲介する嫁じゃないかこれは。未央が少年みたいだから余計に。
そうそう、1期凸レーション回のときにPを責める姿は、別れて親権を持っていった元嫁みたいだなと思っていたんだ。
まあそれはさておき、NGsの中で、このユニットに関して、最もその未来を思い描き、なおかつリーダーとしてユニットを牽引し、責任を果たさなくてはいけないと、内心で考えて来ていたのは未央だったのでしょうね。
一度は解散の危機を乗り越えながらも、あの輝かしいサマーフェスのライブを成功させ、NGsにはこれから一体どんな未来が待っているのかと心ときめかせてきた。
だからこそ、凛が切り出したTPの話への率直な気持ちは「いやだ」ということにならざるを得なかった。
そして過去の失敗という経緯もあり、そのことに気負っていた未央は、また自分の力の至らなさを責めようとするのですが、それに関してはプロデューサーがぴしゃりと否定します。
「あなたは私が選んだニュージェネレーションズのリーダーです」
かっこいいじゃないですか。こうなったことに、失敗を乗り越えてきた未央自体の落ち度は何もない。私が選んだ園田未央は、思った通り、NGsのリーダーとして二人を引っ張ってきた。そうしてここまで歩んできた道には何も間違いはないし、その先にはまだまだたくさんの輝きが待っていることにも違いはないのだと。
だから、今置かれている問題は、それとは別の話なんだよと言うわけですね。
P「お前を信じる、俺を信じろ!」(CV:武内駿輔)
道を指し示すわけでもなく、踏み込めずに慌てふためいているのでもなく。
アイドルがちゃんと問題と向き合って、自ら足を踏み出して自分の道を探していけるように上手くサポートしているように思えます。頼もしくなりましたね。
というわけで、凛ちゃんが「わからない」と言っているものが何なのか掴むために、その「違うところ」に自分も立ってみることを未央は決意したのです。凛の迷いに対して、未央自身の意志をちゃんと伝えるために。
NGsという三人のユニットが前へ歩みだしていくためには、その一人一人が自ら意志を示さなければならないのです。
その船頭を切って出るのが未央であるのは、リーダーとして当然の努めなのです。
「このまま、ニュージェネがばらばらになったら、わたし」
(この卯月のアクションは、力強く――というより、繋ぎ止めるような不安定さを感じる。事実、次の同カットでは腕が震えている)
(嫌に明るい、貼り付けたような卯月の笑顔が強調されるカット。これハイライト消される、絶対)
「未央ちゃんとお話しましょ。別々に悩んでるのはよくないです。ちゃんと納得いくまでいっぱいお話しましょ。大丈夫です……大丈夫です! 私たち三人で頑張って来たんですから」
「卯月……うん。ありがと、卯月」
未央が自らの意志を伝えるために決意を新たにするシーンの次に、この凛と卯月の会話があります。
というわけで、当然二人の意志は? ということになるのですが、一見前向きなようでいて、言い知れぬ不安定さを感じる人が多いシーンだと思います。
はい、そうなんですよね。僕はこのシーンめっちゃ怖いです。
まずばらばらになりそうなNGsへの不安を口にする凛に対し、それを(ばらばらにならないように必死で)繋ぎ止めるような、卯月の「ガシッ」っというアクション。
次いで、卯月が希望を口にするのですが、その途中に、凛を掴む腕が震えているカットが挿入されます。
卯月の嫌に明るい笑顔が強調されるカットとの不釣合いが気色悪い。
で、卯月の発言の内容ですが、自らの意思を伝えるために一人決然と前へと進んだ未央と対比して、「別々に悩んでいるのはよくない」とはっきり言っちゃってるんですよね。
「三人で頑張る」というのは何も間違っていません。同じ目標、課題に対し、ユニットとして三人で臨むのは、何も間違っていない。でも、今問題とされているのは、それぞれ別々の道を見つけてしまったときに、三人一緒に歩む道とどう折り合いを付けるのか、ということなわけです。そう、三人で一緒に悩むためには、三人ばらばらに意志を示さなくてはならない。今は別々に悩まなければいけない時なのです。
ガッチャマンクラウズインサイトの話とかしたくなりましたがやめときます。
「コマドリさんは、ここが秘密の花園だって教えてくれたわ。でも大丈夫かしら。みんなすっかり枯れちゃって」
「何を言うんだい。ほら、あの青々とした木の上を見てごらん」
「これ生きてるの? じゃああのバラは?」
「俺らと同じさ、ピンピンしてる」
「薔薇は、この花園は、生きているのね」
直前の不安定な二人とは打って変わって、何かを掴んだように晴れ晴れとした未央。
中盤ですが、今回のお話がどこへ行くのかはもう理解できるように思います。
自らの意志、決意、決断。それをぶつけあって、結果を受け入れて、共に、またはそれぞれに歩みだしていく。ばちばち、きらきらぁ。
未央の意志は三人をどこへ導いていくのでしょうか。
(浮足立つCPに対し、自らの考えを示そうと決意を握りしめる蘭子)
「あの、彼の者たちの、旅路の……私は、いいことだと思うんです。美波さんたちが、決めたこと」
「私だって、応援したくないわけじゃないよ。ただ、今は部署がピンチってときだから」
(慈母)
「失敗したら解散」
「そんなのやだぁ」
(恥ずかしがりの蘭子が、みんなに伝えるべき気持ちを頑張って伝えようとしている姿にぐっときてしまう)
「冒険、なんじゃないかって。わたし、サマーフェスのとき、に、アーニャさんと一緒に歌って最初は近くに居たわたしが、美波さんの代役をしなきゃって、でも、あのとき、誰かと、ステージに立ってみて、代役とか、それだけじゃなくて、いつもと違うことをやってみて、凄く楽しくて、みんなも応援してくれて、あのどきどきは、今でもずっと覚えていて、凄く大事で……ぅん、ん」
「美波さんたちは、どう思ってるのかな。……あの! 今のままじゃ、不安だから」
「うん、ステージでも、お客さんに幸せ届けられないもんね」
(おおぺどいぺどい)
「まあ二人の言う通り、ここで悩んでないで、全員で話したほうが手っ取り早いでしょー」
「呼びにいこっかぁ。みーんなの問題だからぁ、みぃーんなで考えよ。ね!」
(またこの夫婦かよ……)
「皆さんには申し訳ないことを」
「未央は、自分たちで乗り越えるって決めたんだし、あのこたちも、だよ。今は見守るしかないって」
サマーフェスのとき、それまでとはまったく別の活動を経験した蘭子は、言わば未央が意志を示すために立とうとしていた「違うところ」に、既に立ったことのある者であるのでしょう。
だから、「わからない」からその場所へ行ってみたいと迷う者の気持ちと、その場所へ実際に行ってみることの意義を知っている。
CPというこれまでの道の延長線上で新たな挑戦をしようとしている「残された者」たちの中で、彼女たちと別の道を見ようとしている者たちを繋ぐ役割として必然のキャスティングなのだと思います。気持ちを込めて喋る蘭子の言葉を通じて、みんなは今ここに居ない者たちのことを知ることができたわけです。
蘭子がこうした役割を負ってくれたことによって、残されたCPの面々は「みーんなの問題」を「みぃーんなで考え」て、NGsより一足先に前へと進むことができるということですね。
そんでベストタイミングで次のアクションへと導く言葉を紡ぎだす杏さんは流石。
「あんたみたいに勝手な人なんて、もう知らないわ!」
「坊ちゃまおちついて」
(少年声が嫌に上手い凛ちゃん)
「僕はもう生きられないんだ。ベッドがら動けなくなって、僕は、春が来る前に」
「あ~、かわいそうな、ぼっちゃま」
「バカね、あんたはちっとも弱ってなんかないじゃない! あんたの病気の半分は、あんた自身よ! 自分に呪いをかけてるんだわ!」
「まあ~、めありーさん、なんてことを」
(二人の方へと踏み出す未央)
「僕は君と違って、身体も弱くて、本当に外に出られるの?」
「私だってここに来たときは身体も弱くて、それに外だって、大嫌いだったわ、でも――」
「マーサやディコンが教えてくれたの。外は宝物でいっぱいだって! そうよ、空は高くて、ハリエニシダやヒースやバラが芽吹いているの。外の空気をいっぱいに吸って!」
(未央の居る方へと踏み出す凛)
「僕もいっぱい吸えるかな」
(顔の隠される卯月)
「そう、私には冒険だった」
「僕は、君の見ているものを見たかった」
「こまどりが呼んでいる、あの花園」
「なんて美しいんだろう。僕はもっと早くに、ここに来るべきだったのに」
「うん、ごめん、待たせて」
「え、どこ?」「え?」
「大丈夫、これからだもの! 明日も明後日も、ここに来ましょう!」
(台本を読み続ける卯月。時計の針は動かない)
「そうさ、春の次は夏、その次の秋も冬も……ずっと、ずっと……」
「恐れずに踏み出せば花園は、私たちを待っていてくれるわ!」
(卯月だけが、最後まで台本を手放すことをできない)
「花園は、生きる輝き」
「花園は魔法の場所」
「「「花園は、私たちの心」」」
未央は卯月と凛の二人へ向けて語りかけます。
鍵のかかった扉の向こうには、たくさんの宝物が待っているのに、自分たちにはそこへ踏み出していく力がないと思っていたと。
「バカね、あんたはちっとも弱ってなんかないじゃない! あんたの病気の半分は、あんた自身よ! 自分に呪いをかけてるんだわ!」
でも、本当に力がないのではなくて、それは単に自分でそう思い込んでいるだけだというわけですね。
外に出たいと思っている。でもその力がない自分には、NGsという場所しかない。
そんな二人に対して、一歩先へ踏み出した未央が、花園への扉を開いて向こうを見せてくれている。
「私だってここに来たときは身体も弱くて、それに外だって、大嫌いだったわ、でも。マーサやディコンが教えてくれたの。外は宝物でいっぱいだって! そうよ、空は高くて、ハリエニシダやヒースやバラが芽吹いているの。外の空気をいっぱいに吸って!」
NGsが壊れてしまったらと恐れて踏み出せずに居た凛ちゃんは、花園の向こうでキラキラと輝いている未央の方へと踏み出していきます。
「なんて美しいんだろう。僕はもっと早くに、ここに来るべきだったのに」
「うん、ごめん、待たせて」
ヒーローのように凛の手を引いた未央。彼女はさらに続けて言う。これからもこうして、恐れずに自分の感じた可能性へ向けて、冒険への一歩を踏み出していけば、そこには宝物がいっぱい散りばめられた花園が、必ず――必ず待っていてくれるんだと! だから「大丈夫」だと!
――ああ、でも!
……卯月はこのメッセージを不安と共にしか受け止めることができません。
ーー恐れず冒険へと踏み出していく?
自分の感じた可能性へ?
春も、夏も、その次は秋も?
その先もずっとずっと?
「大丈夫、これからだもの! 明日も明後日も、ここに来ましょう!恐れずに踏み出せば花園は、私たちを待っていてくれるわ!」
ーー本当に?
私は凛ちゃんや未央ちゃんみたいに、この花園へ来ることができるの?
………。
うわあああああああ卯月ぃいいいいいいいいいいいい!!!!!うわあああああああ!!!!!!
「いえ、やります、楽しいんです、これは私にとっての冒険だから」
「新しい場所で、アーニャちゃんも頑張ってるんです、だから、私も新しいことにチャレンジしたくて!」
「美波ちゃんキラキラしてる」
「冒険してるからだね」
「うん」
「アーニャちゃんと私、二人とも頑張って秋のライブを成功させるそれが私の冒険なんです!」
美波も未央や凛と同じく、自分自身への冒険へと踏み出していく決意をします。
両者の決意に、冒険へ踏み出していくアイドルの輝きを見たCPの面々は、快く彼女たちを応援することができるのでした。
めでたしめでたし、じゃないっ!
「しぶりんの気持ち、知りたいって思ったの。ちゃんと返事したかったから。ちょっとづつわかってきた」
「未央、ありがとう」
おめでとう。
暗いっ!暗いよ卯月っ!
ハイライト消されちゃうよっ!
「違うところ」に立ってみることで、凛の気持ちを知ろうとした未央は、どころか花園への扉を一歩踏み出して、その向こうを少しだけ覗いてみることしかできなかった凛ちゃんの手を引くことができました。
今居る場所から踏み出して冒険することは怖いかもしれないけれど、踏み出してみれば必ず宝物がみつかる。花園は待っているんだと。
(っていうか未央はまだ15才なんだよな……なんというか王道主人公キャラだよな)
………。
(花園へと踏み出すことを決めた凛ちゃんはそのことを伝えようとする)
「あのね、卯月――」
(凛が語ろうとする言葉に目を見開く卯月)
(Oh...卯月…)
「――いいと思います!」
「卯月?」
「未央ちゃん、とってもキラキラしてて素敵でした、だからきっと凛ちゃんもきっと」
「ありがとう、卯月!」
(二人の立ち位置を強調するカット)
「私も頑張ります」
(55→56。先週は未央の一歩が針を動かした。今度は凛の決意が。――じゃあ、卯月は?)
僕は今回のNGsを巡るテーマについて、「それぞれが意志を示す」ことだという趣旨のことを言いました。それが、NGsという三人のユニットの今後を踏み出していくために必要なステップだと。
じゃあここでの卯月の反応は何なのかというと、凛が示そうとする意志を最後まで言わせず、勝手に代弁しちゃったのですね。これは、聞きたくないという無意識的な意思表示です。
しかし、もう状況は動き出していることは卯月も当然わかっていて、抗いようがない。
卯月は今のままでいたいのです。二人のように、花園の輝きがはっきり見えているわけでもなく、自分は一人で輝けるような個性をもっているわけでもない(と本人は思い込んでいる)。でも、二人を応援したい気持ちに嘘はない。
そういう彼女の二律背反する感情の機微を表しているシーンだと思います。
一度離れる面々、新たに加わる面々。それぞれの冒険が始まる。
(当初の目標は叶い、進みだす具体的場所がわからない卯月)
「今後やりたいお仕事ですか?」
「ステージもCDデビューもラジオ出演もできましたし、ええとテレビも出ましたから、このまま三人で頑張りたいです!」
「島村さん個人としてはどうでしょうか」
「え、わたし……」
(他所のブログに書いてあったんで確認したら、Pの腕時計が56分なんですね。このユニットが卯月を先へと導いてくれるのかもしれません)
「あくまで提案なのですが、小日向美穂さんとユニットを組んでみるのはどうでしょうか。タイミング的にこの企画は、秋のライブ合わせとはいかないのですが、色々学べるところがあるかと。島村さんも何か、新しいことに挑戦してみて、よりニュージェネレーションズを――」
「――やってみます!……あ、えと、あの。凛ちゃんは凄く綺麗な声してて、未央ちゃんは縁起が凄く上手くって、私は、あの……私のいいところって、なんでしょうか……」
「笑顔です」
「……笑顔」
「はい」
「……ですよね。島村卯月頑張ります!」
卯月もまた小日向美穂とともに新たな道を歩き出す。
このユニットに関しては元があるらしいですね。僕はよく知らんのですが。
プロデューサーの提案に即答する卯月ですが、そこに何かを感じて、というより、二人が歩みだした現状、とにかく自分も何かしないと、というような焦燥からの返答ですね。
実際、返答したあと、すぐに自信なさげな様子を見せてしまいます。
(ただ個人的な考えを言うと、とりあえずやみくもに行動してみて、その中から自分の心の動くものをみつけるというのはありだと思いますけれどね。今回のお話のラインやテーマ的なものがそこにないという話で)
そんな卯月に対しプロデューサーは自身をもって「笑顔」だと答える。
不安まっただ中の卯月は、すぐには納得しないようで、その言葉を反芻するのですが、プロデューサーが力強く頷くのを見て、若干調子を取り戻します。
P「お前を信じる、俺を信じろ!(2度め)」(CV:武内駿輔)
まあ、既に先週からストレス状況が続いているので、卯月があまりに不安定なまま終わるというのも嫌ですしね。ストレスコントロール。
一応仕切り直しの体で、次週の秋フェスへと続きます。
(増えたな。賑やかで大変よろしい)
(荷物を運ぶ未央)
(荷物を探す卯月……)
「星を見るのに一番の場所」
空を見上げるシーン。星を見るシーン。そういうの多いですよね。
卯月の問題解決をやらないということはありえないと思うので、いい加減来週で何かやるとしたら、「卯月の笑顔→ファンの笑顔=星」とか。ステージに立ってこそ、卯月にとってのSTARは一番よく見える。楓さんに近い。まあこれはとにかく思いついたことを書いてみただけで、あんま根拠はない。
というわけで、21話でした。
巷ではなんかあっさり解決しちゃって拍子抜け、みたいな感想が多いように感じますが、凛と未央をとりまく展開の構造には、僕は凄く納得してます。ちゃんと流れを読めば上手いもんだと僕は思いますけれどね。
ただまあ、CPの混乱状況が、NGsと美波の姿を通してあっさり解決したもんだなと感じないこともないですが。それでも蘭子の位置づけの意味とかに納得すると、ちゃんと流れがあると感じられるんじゃないかなと思いますけれどね。
というかそれより!
僕は卯月がもう……。
最後若干持ち直して終わったので、あまり深刻に捉えなかった視聴者はかなり居るのかもしれませんが(相変わらずストレスコントロールがうまい)、花園のやりとりの卯月の置いてかれっぷりとか、もう、なんか、こっちが泣きたくなります。
ですが、そこらへん感情移入したぶん、今後上手いこと展開してくれたら、大変なカタルシスが待っているんじゃないかと期待します。
そんなわけで、僕はこの21話、めっちゃ面白かっし、唸りました。それでは。
P「お前が信じる、お前を信じろ!」(CV:武内駿輔)
はいつになるのかな。