2017年春新作アニメ所感 その①
8割方新作アニメの1話から数話も見終わって、結構面白い作品がある印象だったので軽くコメント、もしくは箇条書きでの感想を添えていこうかと思います。
終末なにしてますか? 忙しいですか?救ってもらっていいですか?
世界が滅びた後、追いやられた地にてそれでも戦いを続ける者たちの終末を描くお話。
ポストアポカリプスもの――というには別にヒャッハーしてるわけでもなく、どこかのどかな雰囲気とほころびを漂わせる、まあなんか悲しいオチが待ってるんだろうなあとひしひし予感を抱かせる1話でしたね。
冒頭ヒロインと主人公が出会って街を散策するんですが、その時に有名なイギリス民謡であるスカボロー・フェアが流れたあたりでやられてしまいました。郷愁と切なさを感じます。パーセリセージローズメーリーエンターイム♪
最終兵器がヒロイン達で、無力な主人公はその姿を見届けるしかできない終末ものというと、往年の世界系ライトノベル、エロゲの類いを思わせますね。色々と懐かしい匂いです。ただ、あまり主人公が自意識の迷宮を彷徨い、それが世界の命運とヒロインとの恋愛とに関わってくるような、所謂評論界隈で言われるような世界系主人公という体ではないので、正しく(?)セカイ系作品ではないような気がしますね。そういう自意識お化けの主人公が苦手なんだけれど、切ない雰囲気の終末もの自体は好きだという人は見てみると良いかもしれません。僕は好きです。
宣伝がそれほどされていなかった割には、アニメーションとしての作りはしっかりしていました。兵器として使い捨てられることが決められた妖精たち(宿舎で共同生活をしてその時を待つ子どもたち)が、外からやってきた主人公に興味を示してはしゃぐ姿とか、めっちゃ動いていて可愛い。制作側に紳士が居るに違いないです。
Re:CREATERS(レクリエイターズ)
創作上(ただしアニメやラノベ、サブカル作品)のヒーロー・ヒロインたちが現代日本に現界し、それぞれの思惑によって戦いを繰り広げるバトルロワイヤル作品。
端的に言ってしまえばFateです。ただしやってくるのは日本のサブカル作品の登場人物。
アイデアとしては既に成功したものをちょっと捻った感じですね。ただ、Fateやドリフターズなんかと違って、文字通り想像力によって作られたキャラクター(厳密に言ってしまえばFateもそういう存在が出ますが)なわけでして、そこらへんの「存在の自由さ」、それぞれが個々にもった「世界観」、そういうものが現代で過ごす異文化交流的な側面や、ぶつかり合いというが、今までにない新しさを生み出していて、すごく「わくわくする」作品になっていると思います。
監督はFate/Zeroやアルドノア・ゼロのあおきえい。シリーズ構成、キャラクター原案はブラックラグーンの広江礼威が協力。音楽には進撃の巨人等の澤野弘之といった風に、結構力の入った作品であるように感じます。
実際のところアニメーションの全体的なクオリティは高く、戦闘シーンも豪華と言っていい水準で、オリジナルアニメとしての単純な面白さ、見た目の説得力は、今期随一だと言っていいのではないでしょうか。みんなに見て欲しい。
設定上かなり大風呂敷なアニメになる気がするのですが、どうやら2クール22話構成らしいので、頑張ってうまく畳んで欲しいですね。
異世界ファンタジーヒロインに軍服美少女、古書庫の魔法使いにロボット、魔法少女まで出たかと思えばペルソナ遣いみたいな男も居て現代の街中でド派手に戦う、お祭り感ある大変ゴージャスな作品。
武装少女マキャベリズム
今期の学園ハーレム枠の一翼。
実に分かり易い位置づけのアニメですね。
戦うヒロインたちが出てきて、なんやかんや主人公と対立して、ちょくちょくエロイベントなんかがあり、何故か戦うことになって、負かされると途端に主人公が気になってしょうがなくなってしまう。そして、つんつんしながらも妙に嫁面してくるようになるちょろいんズ。
このヒロインのちょろさの空気感というのが、個人的にはIS〈インフィニット・ストラトス〉に似たものを感じます。
結局のところこういうアニメはヒロインが可愛く描けているか、あとは視聴者個々人の趣味に合っているか、というところ次第なので、まあとりあえず見てみて気に入る子が居たら視聴継続してみては、って感じですね。
と、それだけだとあまりにあれなんで少し内容に触れておくと――転校生である主人公がやってくる学園が元々は女子校で、共学校になったことを契機に男子を恐れた女子生徒たちが武装、男子生徒を支配しながらヒエラルキーを作るようになり、その頂点にそれぞれ武道(というか剣技)を収めた5人の少女が君臨していてなんやかんや、というやはり主人公と戦闘美少女を戦わせるために誂えた設定があるわけですね。
で、主人公も武道を積んでいて、以前の学校で強敵(の女の子)と一悶着あり、というような過去があったりして、再びこの学園で再会を果たし――とまあそんなノリ。
案外武道の考証とか戦いの駆け引きとかしっかりしようとしている匂いはあるんですが、もう一つ惜しい感じですね。
結構おバカな展開があり、笑ってみるような作品でもあると思います。
結局はちょろいん攻略アニメなので3話あたりから彼女たちが徐々に嫁面してくるあたりから本領発揮という印象なので、そういうの好きな人はとりあえず3話まで見ましょう。
で、なんで三つ目に紹介しているかというと、僕はこれ好きだからです。見ましょう。
ラスボス風味の斬々ちゃんはミステリアスな一匹狼と見せかけて、主人公に異常な執着を見せるヤンデレサイコヒロインと化すのではないだろうか。いいぞ。
クロックワーク・プラネット
遙か昔、その機能を停止してようとする地球を、とある天才時計技師が歯車によって再構築してみせた。
とまあこれまた唐突な世界観設定から始まるお話。
正直お話自体が面白いかというと、1話だけみた感触ではそうでもないかなあと。
ただし、ヒロインが機械仕掛けの人形(オートマタ)でしかもCV:加隈亜衣、ゴスロリファッションで主人公をご主人様と慕う毒舌だが可愛いくて強い、色々設定盛々の女の子ということで、宗教上の理由により視聴継続しようとしているところであります。
「ブレゲ」とか少し時計を調べたことがあると知ってる名前が出てきたりして、ほのかにニヤリとできるようなアニメ。
唐突に指チュパが始まったり設定盛々のちょっと古くさいヒロインだったり、作者のフェチズムや願望が発露していて良いですね。ちなみに原作はノゲノラの人。
フレームアームズ・ガール
自動人形と言えば、フレームアームズガールも機械の女の子が出て来るアニメですね。
ようは武装神姫ですこれ。ホビーとしての戦うちっさい女の子が色々出てきて、箱庭世界での彼女たちのかわいい日常(とちょっと冒険)を眺めるお話。
等身大の自動機械(オートマタ)も良いですが、こういうお人形さんアニメもフェチ心をくすぐられて好きなんですよね。
ところで武装神姫の頃はご主人様はまだ男でしたが、こちらではついにご主人様も女の子ですね。武装神姫やってた頃にゆるゆりも放送開始してましたが。時代ですかね(いいぞもっとやれ)。
はい、まあそんな感じでそれぞれ様々な理由で視聴継続しようかなあというアニメについていくつか触れました。他にも見たアニメ、見てないアニメあってコメントしたいんですが、面倒くさくなってきたのひとまずその①ということで。それではまた。