迷家 第7話までのネタバレ感想・考察 「本当に死んだのは光宗で、回想は妄想だった?」(約3500文字)

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 迷家7話、ここに来て光宗の過去を明らかにするエピソードがやってきました。

 大方の予想通り、光宗は時宗を名乗って生活していたようです。

 僕は光宗が自分から(もしくわ颯人の入れ知恵で)時宗を名乗り、その事実を周囲は知らないのではという予想をしていたのですが、どうやら母親の状態を慮って、周囲が光宗に無理をさせ続けているというのが事の真相の様子。

 今回の回想を素直に真に受けるならば、僕が行ったアクロバティックな妄想は大部分はずれということになりそうですね。

 

 と、わざわざ「素直に」なんて言いますのは、いくつか気になる要素があるからでして、今回の光宗自身の回想にまだ伏線があったりしないものかと、見苦しくも考え続けているからであります。

 

 ただ、その考察ポイントというのが、どう全体として筋だって繋がるのかよくわからない、頭がこんがらがってしまったので、今週の記事を書きあぐねておりました。

 まあ、そのような状態なので、7話をみての「考察」というより、箇条書きで気になったところの書き出しだけ適当にやっておこうと思います。

 

事故現場について

 

 僕は事故が起きた現場はどっかの橋だと勝手に思っていたんですが、どうやらコンクリ塀のうえによじ登った末のものだったようですね。

 転落して地面に頭を打った結果の死亡ということでしょう。なのでやはり、時宗が生きているという線はなさそうです。

 

崖から転落した光宗にかけた真咲の言葉の意味は?

 

 光宗が崖から転落したあと、彼に肩を貸しながら「ごめんね」という台詞を真咲はつぶやいています。これは、一貫して隠し事をしていることについての後ろめたさからのものなのか、はたまた、先週の考察通り、この企画自体を導いたのが自分自身で、その結果苦しむ光宗に対する謝罪の意図なのか。

 

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「ごめんね……。光宗くん……ごめんね」

 

 颯人は光宗が本当の名前であることを知っているのか

 

 回想によると、幼稚園までは公然にも光宗を名乗っていたようですが、小学校からは時宗という名前で学校へ通わされるようになったようです。すると、光宗が颯人と出会ったのが小学校からである場合、もしかしたら颯人は時宗としての光宗しか知らないという場合もありえます。ただ、ここまで仲良くなって、依存させられてきていることから、光宗が颯人に打ち明けないでここまでやってきたということも、中々考えづらくはありますね。

 しかし、もし颯人が知らないのだとしたら、自分の本当の名前を長年連れ立った颯人を差し置いて会って数日の真咲にだけ打ち明けているという事実は、7話で露わにされた颯人の異様な態度に鑑みても、昼ドラばりにやばい展開へと転げ落ちていく可能性を示唆するようで大変面白――恐ろしいことです。

 

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「光宗を誘惑しやがってっ――悪霊がっ!!!」

 

自分と向きあえば元の世界へ戻れるという真咲

 

 自分と向き合いトンネルを抜けることで元の世界に戻れる。そのような内容の話を真咲がしています。やはりこの場所について何か知っている真咲は一度ここへ来たということでしょうか。だとすれば、彼女自身は一度自分と向きあってここを出ることができたが、かつて置いてきてしまった誰かを探しに、またここへ来たということなのでしょうか。

 

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「元の世界に戻りたかったら、まずはこのトンネルを抜けるの」

「元の世界? トンネルを出たら元の世界に戻れるの?」

「ううん、戻れない。戻るためには向き合わなくちゃいけない。自分と戦うの」

 

幻影に向き合うも弾き返されてしまう光宗

 

 幻影と対峙した光宗ですが、直後ペンギンをプレゼントされたときの回想が挿入され、後ろへと一歩後ずさります。そして「僕は光宗なんだ」と改めて自分を鼓舞するように確認し、ペンギンへ突っ込んで行くという流れ。

 ちゃんと母が自分のことを認識していたときのことを思い返して、自分が光宗だと確認するシーンということだと思いますが、結局光宗は弾き返されてしまいます。

 自分のことを時宗と呼ぶ母と真正面から向かい合って自分は光宗だ、僕をちゃんと見て欲しいと告げる覚悟にまだぶれがあったから突破できなかったのでしょうか。それとも、向き合うべき「何か」がそれとは別のところにあるということなのでしょうか。

 

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(おそらく)母の声で「時宗……」と繰り返すぬいぐるみ

 

時宗……時宗……」

 

光宗の話しを聞いて食い気味に問い詰めるこはるん

 

 トンネルでの真咲との経緯を話す光宗に対し、こはるんは食い気味に問い詰めます。「トンネル」というキーワードに反応しているように見えますが、わざわざその先について知りたがるというのは、何かしらの情報を彼女が知っているからということなのでしょうか。

 正直、こはるんもまたただ純粋に民俗学的興味からの参加というには、それ以上の執着を感じさせる振る舞いが多いような気がしますね。

 例えば前回のわらべ歌の続きですが、彼女は意訳のようなものしか口にしていません。ここまでそれを伏せてきた意図もわからないし、ここにきてあの歌が今回の事件の引き金になっているという状況です。ただ、こはるんが何か意図してやっているのであるとしても、 その目的が何なのかわからないという現状ですね。

 

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「トンネルの先に!? そこに、何があるって言ってた!?」

 

光宗が自分の力だけではやっていけないと考える颯人の確信

 

 「お前は生きていけない」とまで言い切る颯人の確信はどこから来るんですかね。本当に光宗が弱い存在だから、単に自分が守ってやらなくてはいけないと信じているというだけだとするには、ちょっと違和感を抱かせる程の強い確信がある気がしてしまいます。

 マイマイに光宗のことを何もわかっていないと言ったり、真咲になびく光宗に対してもお前は何も知らないと言ったり。颯人をそう駆り立てる何かが光宗にはあるのでしょうか。もしそうなら、そこに過去の颯人が関わっているのでしょうけれど。今のところ具体的考察の材料がない。

 

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「自信を持つ必要なんてない。俺の言うことを聞かなけりゃ、お前は生きていけないんだ」

 

色違いの靴

 

 1話の白昼夢では赤色だったものが、7話の回想では水色になっています。7話の回想において赤は光宗、水色は時宗のくつでした。これを真に受けるならば、白昼夢においてコンクリ塀から転落したのは光宗ということになってしまいます。ここから、実は本当に転落したのは光宗で7話の回想――つまり光宗自身の記憶に齟齬がある、なんて考察も出てきてしまうのですが、こうなってくると最早何がなんだかわからなくなってしまいますね。

 

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 靴というとキービジュアルで光宗が履いているブーツはいったいなんなのだろうというのもありましたね。

 

 ようは、今の光宗は本当は時宗で、光宗を演じているのだけれど、それを自分自身で認識していないというようなこんがらがったお話。7話の回想は彼の妄想ということになってしまうわけです。

 すると実生活では、母も含め周囲のみんなは正常であり、時宗その人を当然のように時宗と呼んでいるのでありますが、当の本人の世界の中では、自分は時宗じゃなくて光宗なのに、狂った母のために時宗を演じさせられているという捻くれた認知の中で生きているということになるわけですね。

(漫画版で病院のベッドに横たわる人物を前に悲嘆に暮れる母の回想コマがあるのですが、「光宗」と呼びかけているようにも見えるのですよね)

 するとやはり先々週考察したように、光宗自身の回想とは違う事故の真相があって、やはりその事実に何かがきっかけで気付いた颯人が云々――みたいな妄想が可能になる気がしますが、もう正直ここまで錯綜した話をちゃんとやりきれるのか謎ですね。

 となると、1話における白昼夢では、時宗の死を追体験するようなイメージ――時宗と自分がごちゃごちゃになった結果としての赤い靴であった、というのが考察としては楽っちゃあ楽な流れですかね。

 しかしまあ、本当に隠された真相があるなら、それは大変興味深いんですが。

 理路整然と説明するには材料がまったく足りない感じ。

 

終わりに

 

 というわけで、7話感想でした。

 はっきり言って迷家という物語の全容がいまいちわからなくなってしまったというのが個人的な感想なんですが、一番気になったのは何故あそこまで颯人が光宗に執着するのか、二人の過去に何があったのかというところですね。

 真咲と村の正体については来週いくらか明らかになりそうですが、もう少し光宗と颯人周りの考察が深められるような情報が出ることを期待したいです。

 それでは。

 

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 真咲ちゃんまじヒロイン

 

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 光宗がヒロインでリオンとなんこさんがヒーローだった